Webサービスやオンライン広告を扱っていると、必ずタイムゾーンの問題に直面します。「データがずれている」「レポートの数字が一致しない」という多くの問題は、タイムゾーンの扱いが原因です。

UTCとは

UTC(協定世界時) は、世界共通の時刻基準です。かつて使われていたGMT(グリニッジ標準時)とほぼ同義ですが、現在はUTCが国際標準として使われています。

世界中のシステムはUTCを内部時刻として使い、表示する際に各地のタイムゾーンに変換するのが基本設計です。

主要タイムゾーンとUTCとの差

タイムゾーンUTC差代表地域
JST(日本標準時)+9:00日本
KST(韓国標準時)+9:00韓国
CST(中国標準時)+8:00中国・台湾
IST(インド標準時)+5:30インド
CET(中央ヨーロッパ時間)+1:00(夏は+2:00)欧州
GMT±0:00英国(冬)
EST(米東部標準時)-5:00(夏は-4:00)ニューヨークなど
PST(米太平洋標準時)-8:00(夏は-7:00)ロサンゼルスなど

日本は UTC+9 で固定されており、日本にはサマータイムが存在しません

サマータイム(夏時間)とは

欧米の多くの国では、春から秋にかけて時計を1時間進めるサマータイム(Daylight Saving Time / DST) が実施されます。

サマータイム期間中は UTC との差が変わります。

米国太平洋時間標準時(冬)夏時間(夏)
UTC差-8:00(PST)-7:00(PDT)
日本との差17時間16時間

この切り替えが起きる週前後は、スケジュール管理・API連携・広告の時間帯設定で混乱が発生しやすいため注意が必要です。

Google広告のタイムゾーン設定

Google広告アカウントにはタイムゾーン設定があり、これが広告配信・レポート・自動入札すべての基準時刻になります。

アカウント作成時に設定される

Google広告のタイムゾーンはアカウント作成後に変更できません。誤ったタイムゾーンで作成した場合、新しいアカウントを作り直す必要があります。

主なGoogle広告アカウントのタイムゾーン

タイムゾーン名UTC差備考
(GMT+09:00) 大阪、札幌、東京+9:00日本標準
(GMT-05:00) Eastern Time-5:00(冬)/ -4:00(夏)米国東部
(GMT-08:00) Pacific Time-8:00(冬)/ -7:00(夏)米国西部

Google Ad Grantsなど一部のアカウントが米国太平洋時間(PST/PDT)で設定されることがあります。この場合、日本時間との差が17〜16時間あるため、広告の配信時間帯設定や予算の「1日」の区切りがずれることを把握しておく必要があります。

広告配信スケジュールへの影響

曜日・時間帯の入札調整を設定している場合、すべての時刻はアカウントのタイムゾーン基準で解釈されます。

たとえばアカウントが米国太平洋時間(PST)の場合、「月曜 9:00〜18:00」の設定は日本時間で「火曜 2:00〜11:00」(冬)または「火曜 1:00〜10:00」(夏)に相当します。

GA4のタイムゾーン設定

Google Analytics 4のタイムゾーンはプロパティ設定から変更できます(Google広告と異なり変更可能)。

設定したタイムゾーンがレポートの「日付」の区切りになります。タイムゾーンを変更すると過去データの日付区切りも変わるため注意が必要です。

GA4とGoogle広告のタイムゾーンが異なる場合、同じ期間を集計しても数値が一致しないことがあります。Looker Studioでデータを結合する際などに問題が表面化しやすいです。

時刻のISO 8601形式

APIレスポンスやログには時刻が ISO 8601形式 で記録されることが多いです。

2026-06-11T09:30:00+09:00   ← 日本時間
2026-06-11T00:30:00Z        ← UTC(末尾のZはUTCを意味する)
末尾が Z の場合はUTCです。+09:00 は日本時間(JST)を意味します。同じ瞬間を指していますが表記が異なるため、ログ分析時には注意が必要です。