朝出社したらサイトが表示されない、あるいは顧客から「御社のサイトが見られない」と連絡が来た——こうした事態は予告なく発生します。パニックになる前に、原因を順序立てて切り分けることで素早く対処できます。
まず確認すること:自分だけか全体かの切り分け
最初に「自分の環境だけの問題かどうか」を確認します。
別のネットワークから確認する:スマートフォンのモバイル回線(Wi-Fiを切った状態)でアクセスし、同じ症状が出るか確認します。
別のブラウザ・デバイスから確認する:ブラウザのキャッシュや拡張機能が原因のこともあります。
オンライン確認ツールを使う:「Is it down for everyone or just me?」などのサービスに URLを入力すると、外部から見てサイトが落ちているかを確認できます。
自分だけの問題であれば、PC・ブラウザ・ネットワークの問題です。全体的に落ちている場合は次の手順へ進みます。
原因の切り分け手順
ステップ1:HTTPステータスコードを確認する
サーバーがレスポンスを返しているかどうかを確認します。
| ステータス | 意味 | 対処 |
|---|---|---|
| 200 | 正常(でも表示が崩れている) | HTML・CSS・JSの問題 |
| 301/302 | リダイレクト(ループの可能性) | リダイレクト設定を確認 |
| 403 | アクセス禁止 | .htaccessの設定ミス |
| 404 | ページが見つからない | URLの変更・削除 |
| 500 | サーバーエラー | PHPエラー・WordPressプラグインの競合 |
| 接続できない | サーバー自体に到達できない | DNS問題・サーバー停止 |
HTTPステータスチェッカーにURLを入力すると現在のステータスを確認できます。
ステップ2:DNS解決ができているか確認する
ドメインがIPアドレスに正しく解決されているかを確認します。
nslookup yourdomain.com
dig yourdomain.com A
コマンドが使えない場合はDNSレコード確認ツールでドメインを入力し、AレコードにIPアドレスが返ってくるかを確認します。
よくある原因: - ネームサーバーの設定を変更したが反映途中(DNS伝播に最大48時間かかる) - ドメインの有効期限が切れてネームサーバーが失効した - DNS設定を誤って削除した
ステップ3:サーバーに到達できるか確認する
DNS解決はできているのにサイトに繋がらない場合、サーバー自体の問題です。
- レンタルサーバーの障害情報を確認する(各社のサービス状況ページ)
- 契約しているサーバーの管理パネルにログインできるか確認する
- サーバー会社のサポートに問い合わせる
ステップ4:SSL証明書を確認する
ブラウザに「この接続は安全ではありません」「証明書の有効期限が切れています」といったエラーが表示されている場合、SSL証明書の問題です。
SSL証明書確認ツールでドメインを入力すると証明書の有効期限・発行者・エラー内容を確認できます。
よくある原因: - Let's Encrypt証明書の自動更新が失敗した - 有料証明書の更新手続きが漏れた - サーバー移行後に証明書の設定をしていない
ステップ5:ドメインの有効期限を確認する
ドメインの有効期限が切れると、DNSが機能しなくなりサイトに繋がらなくなります。WHOISまたはRDAPでドメインを検索し、有効期限を確認します。
期限切れの場合、ドメイン登録会社の管理画面から更新手続きを行います。多くの場合は猶予期間があり復元できますが、猶予期間(一般に30〜45日)を過ぎると第三者に取得される可能性があります。
ステップ6:WordPressの場合はエラーログを確認する
500エラーが出ているWordPressサイトは、プラグインの更新・PHPバージョンの変更・テーマの問題が原因であることが多いです。
/wp-content/debug.log ← WordPress デバッグログ
/error_log ← PHPエラーログ(サーバーにより場所が異なる)
FTPまたはサーバーのファイルマネージャーでこれらのファイルを確認すると原因が分かります。
原因別の復旧時間の目安
| 原因 | 復旧時間の目安 |
|---|---|
| .htaccessのミス修正 | 数分 |
| プラグイン無効化 | 数分 |
| SSL証明書の再発行 | 数分〜1時間 |
| DNS設定の修正後の反映 | 数時間〜48時間 |
| サーバー障害(事業者側) | 事業者次第 |
| ドメイン有効期限切れの更新 | 更新後24〜48時間 |
再発防止策
- ドメインの自動更新を設定する:登録会社の管理画面で必ず有効にしておく
- SSL証明書の有効期限をカレンダーに登録する:Let's Encryptは90日ごとに更新
- サーバーの稼働監視サービスを使う:UptimeRobotなどの無料ツールでサイトを監視し、ダウン時にメール通知を受ける
- 変更作業は本番環境で直接行わない:ステージング環境での検証を習慣にする