UTMパラメータ(utm_sourceutm_mediumutm_campaign など)は、広告やメールからの流入元を識別するためにURLに付加するパラメータです。正しく設定したはずなのに「GA4でorganic扱いになっている」「directになっている」という問題は現場で頻繁に起きます。

UTMパラメータが消える主な原因

原因1:リダイレクトがパラメータを引き継がない

最も多い原因です。リンク先のURLにリダイレクトが設定されている場合、パラメータが引き継がれないことがあります。

よくあるケース: - http://https:// のリダイレクト(HTTPSリダイレクト) - www. あり → www. なし(または逆)の統一リダイレクト - .htaccess や Nginx設定でのリダイレクト - WordPressの「パーマリンク正規化」によるリダイレクト(末尾スラッシュの有無)

確認方法:UTMパラメータ付きのURLをHTTPステータスチェッカーに入力し、リダイレクトチェーンを確認します。リダイレクト後のURLにパラメータが含まれているかを確認してください。

対策:リダイレクト先に直接UTMパラメータ付きのURLを設定します。つまりリダイレクトが発生しないURLを広告リンクとして使います。

❌ リダイレクトが起きるURL
https://example.com/lp  →(301リダイレクト)→  https://example.com/lp/

✅ 最終的なURLに直接UTMを付ける
https://example.com/lp/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=brand
### 原因2:WordPressプラグインがURLを書き換える

一部のWordPressプラグイン(キャッシュプラグイン・セキュリティプラグイン・SEOプラグインなど)がURLを正規化する際にパラメータを削除することがあります。

よく名前が挙がるプラグイン: - Rank Math(URLの正規化設定) - Yoast SEO(一部のリダイレクト設定) - W3 Total Cache / WP Rocket(キャッシュ設定)

確認方法:ブラウザのアドレスバーでUTMパラメータ付きURLにアクセスし、ページ表示後にURLのパラメータが残っているかを確認します。

原因3:GA4の設定でパラメータを除外している

GA4の「参照除外リスト」や「クエリパラメータの除外設定」によって、UTMパラメータが計測から除外されている場合があります。

確認場所:GA4 → 管理 → データストリーム → 詳細設定 → Google タグ設定 → 「URL クエリパラメータを除外」

utm_source などのパラメータが誤って除外リストに含まれていないか確認します。

原因4:SPA(シングルページアプリケーション)のルーティング

ReactやVue.jsなどで作られたSPAサイトでは、ページ遷移がブラウザのURL変更ではなくJavaScriptで処理されます。このため、UTMパラメータを持ったURLで来訪しても、SPAのルーティングがパラメータをルートパスに引き継がないケースがあります。

対策:SPAのフレームワークに合わせて、UTMパラメータをsessionStorage・localStorageに保存し、コンバージョンイベント発火時に参照する実装が必要です。

原因5:ランディングページ → 別のドメインへの遷移

LP(ランディングページ)に来訪し、そこから申し込みフォームが別ドメイン(例:kintoneフォームやGoogle Forms)にある場合、ドメインをまたいだ時点でGA4のセッションが切れます。

対策:GA4のクロスドメイン計測設定を行います。

GA4 → 管理 → データストリーム → タグ設定を行う 
→ 設定 → クロスドメインの計測 → ドメインを追加
### 原因6:メール内のリンクでGmailが短縮URLを挿入する

一部のメール配信システムやメールクライアントがリンクを短縮・トラッキングURLに置き換えることがあります。その際にUTMパラメータが引き継がれないケースがあります。

UTMパラメータが正しく計測されているかの確認手順

  1. GA4のリアルタイムレポートで確認する:UTMパラメータ付きのURLにアクセスし、GA4のリアルタイムレポートでトラフィックソースが正しく反映されているか確認します。
  1. GA4のデバッグビューを使う:Chrome拡張「Google Analytics Debugger」を使うと、GA4に送信されているイベントとパラメータをリアルタイムで確認できます。
  1. UTMパラメータビルダーで正しいURLを生成する:スペースや全角文字がパラメータに含まれていないか、& でなく ? を使うべき箇所で & を使っていないか確認します。

UTMパラメータの命名ルール

パラメータの値はGoogleが区別するため、表記ゆれが計測の分断を引き起こします。

✅ 統一された例
utm_source=google
utm_medium=cpc

❌ 表記ゆれの例
utm_source=Google    ← 大文字(別のソースとして記録される)
utm_medium=CPC       ← 大文字(別のメディアとして記録される)
utm_medium=paid      ← cpcとは別に記録される
UTMパラメータは小文字で統一し、チーム内で命名規則を決めておくことが重要です。UTMパラメータ生成ツールを使うと規則を守ったURLを一元管理できます。