「PDFが大きすぎてメールに添付できない」「Webサイトに掲載するPDFを軽くしたい」——PDFのファイルサイズ削減は、業務でよく直面する場面です。圧縮の仕組みと用途ごとの適切な設定を知っておくと、品質を保ちながら効率よくサイズを落とせます。

PDFが大きくなる主な原因

原因説明
高解像度の画像が含まれている写真・図版を非圧縮または高品質で埋め込むとサイズが増大する
埋め込みフォントフォントデータが丸ごと含まれる場合がある
スキャンPDF紙をスキャンしたPDFは画像データの塊なので大きくなりやすい
レイヤー・透明効果デザインデータ由来のPDFはオブジェクトが多い
不要なメタデータ作成ソフトの情報・コメント・注釈が残っている

用途別の圧縮レベルの目安

圧縮しすぎると文字がにじんだり画像が荒くなったりします。用途に合わせたレベル設定が重要です。

用途解像度の目安ファイルサイズ目安
Web・ダウンロード配布72〜96dpi1MB以下が理想
メール添付96〜150dpi3〜5MB以下(受信側の制限による)
印刷用150〜300dpi品質優先。圧縮は控えめに
アーカイブ保存元解像度を保持圧縮より保存形式の安定性を優先

主な圧縮方法

Webツールで圧縮する

ブラウザ上で動作するツールを使う方法です。ファイルをアップロードして圧縮されたPDFをダウンロードするだけで完結します。

注意点として、機密情報を含むPDFを外部のWebサービスにアップロードするのは情報漏洩のリスクがあります。社外秘・個人情報が含まれる書類にはサーバーサイドで即削除することが明示されているサービスか、オフライン処理できるツールを選ぶべきです。

Adobe Acrobatで圧縮する

「ファイル → 名前を付けて保存 → PDF のサイズを縮小」または「ツール → PDF を最適化」から設定できます。有料ソフトですが細かい設定が可能です。

macOS のプレビューで書き出す

macOS 標準の「プレビュー.app」でも圧縮できます。

  1. PDFをプレビューで開く
  2. 「ファイル → 書き出す」
  3. 「クオリティ」スライダーを下げる
  4. フォーマット「PDF」で保存

手軽ですが圧縮アルゴリズムが選べないため、効果が限定的な場合があります。

Ghostscriptでコマンドライン圧縮

開発者・技術者向けですが、もっとも柔軟に圧縮できます。

# Web用(スクリーン品質)
gs -sDEVICE=pdfwrite -dCompatibilityLevel=1.4 \
   -dPDFSETTINGS=/screen \
   -dNOPAUSE -dQUIET -dBATCH \
   -sOutputFile=output.pdf input.pdf

# 印刷用(高品質)
gs -sDEVICE=pdfwrite -dCompatibilityLevel=1.4 \
   -dPDFSETTINGS=/printer \
   -dNOPAUSE -dQUIET -dBATCH \
   -sOutputFile=output.pdf input.pdf
-dPDFSETTINGS の設定値:

設定解像度用途
/screen72dpiWeb・画面表示
/ebook150dpi電子書籍・配布用
/printer300dpi印刷用
/prepress300dpi+高品質印刷

圧縮してはいけないPDF

PDF圧縮ツールでは、Ghostscriptによるサーバーサイド処理でPDFを圧縮します。Web配布・メール添付・印刷用の3プリセットから選択でき、処理後はサーバーからファイルを即削除します。